気持ちいい快晴

気持ちいい快晴


子供のころ、空を見ているのが好きだったから、ずっと空を見ていた。

そしたら、飛び出してきた自転車にぶつかったんだ。クリーンヒット、ってやつだ。

まだ小さかったから吹っ飛んでいっちゃったんだが、そのばしょがいけない。

吹っ飛んでいったのは、車道にだったのさ。

リフティングよろしく、連続で吹っ飛ばされたね・・・。

思えばあれが、自分の中に残っている、最後の「痛い」だろうか。


病院にいって、貯金が数年ぽっちしかない走馬灯をループ再生してた。

病院でいわゆる医療ミスってやつで麻酔が切れてて、生で腹をかっさばかれたけど、別になんともおもわなかった。そのまま手術が終わって話しかけてきた医者が俺を見たときの顔は正に秀逸だった。ほんとに目が点にあってた。腰抜かしてた。あとは...

それからは、どれだけ怪我しても連続リフティングin車道の痛みよりかは遥かにましに思えてきて、どれだけいたくても痛いと思わないようになった。

っておいおい、寝ないでくれ、ここからが見所なんだ。


時が立ち、俺は立派な、学生になった。喧嘩は最強、あだ名は「不死身の花崎」。

そこそこ権力も持ってたし、そんな立場の自分によっていた。

そしたら案の定、足元掬われて死にかけた。聞いて驚け、金持ちのヤンキーが、

親のバイク走らせて突進してきたんだぜ?勝ちようがない。なんならそいつ、最終的にバイクでこけちゃって、いっちょまえにライター持ってたから、バイクに引火しちまって。もちろん巻き込まれたさ、爆発に。目の前を俺の腕が飛んでいくんだ、それはもう幻想的だったね。


久しぶりに見る走馬灯を眺めてたんだ、もちろんループ再生で。

ついでに、この腕を直す手段はないかって。

すると、走馬灯のなかに、自分には無い記憶が生まれたんだ。

爆発・・・吹っ飛んだ俺の腕・・・急に自分のなかに、なんかパワーがみなぎってきたんだ。どうしようもなかった、ただあふれでるこのエネルギーを発散したかった。

だから、おれは力んだんだ。轟音と共に、目の前がまっくらになった。

気付いたらまわりには警察がいて、色々聞かれて返された。

次の日学校にいくと、みんなが俺のことを見てくる。

おれにバイクをぶつけたやつは盛大に漏らしてやがったな。

『おまえなんで生きてんだ!?』ってな。

そう、俺の体はさっぱりきれい、超健康、とにかく全てがパーフェクトだった。

腕もなおってんだ、不思議だろ?

と、ここで俺は気付いたんだ。どれだけ怪我しても治るんじゃねえか...ってな。

気になったから、爪をはがして、力をこめてみたんだ、そしたらどうなったと思う?どごん!よ。

おれは力を手にいれた。少なくともヤバさ加減がSSR?なとんでもない代物。

うっきうきだったね、少なくとも教師のお怒りがなんも頭に入ってこないぐらい。

その力で俺は、まーやんちゃしたね、例えば学校の校舎をーー

・・・おっと、つい長くなっちまった。年を食うとこうなっちまうからいけねぇ。

おれが高専にいたころの話は、また次の機会に。









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